納会-雨の茶事

平成26年12月20日(土)、納会茶事。
願い叶わず本降りの雨となってしまいました。
私が参加した3席目が最も激しかったようです。

雨で大変なのは客だけではありません。
亭主はもっと大変でしょう。

01
雨の茶事では本来露地笠が用意されるそうですが、今回は大きな洋傘でした。
濡れないという意味では大きな洋傘は露地笠に勝ります。
蹲で手を清める際、後ろの人が前の人に傘を差しかけ、皆で濡れないよう気を配り合います。
貴重な経験でした。

他にも雨でよかったと思うことはあります。
まず、露地の緑がより美しく感じられます。
晴れの日に水を打った緑とは明らかに違う煌めくような緑と言いますか。
翠の方が適切かもしれません。
木々の緑も綺麗ですが、青竹で改められた筧や塵箸の緑もまた一層美しく感じられました。
02

空気も澄みきっています。

そして、やはり雨音です。
軒をたたく雨の音、飛石をはじく雨の音、敷松葉に染み落ちる雨の音、
それぞれの雨音は、露地だけでなく、席入りした後も特別な風情を与えてくれます。
釜の音、お茶を点てる音などと重なって。

雨音の中、格別に美味しいお茶を頂き、しっとりと一年の無事を確かめ合った社中でした。

(NHK水曜 F.M. 記)



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