炉を開くから炉開き

炉を開くと書いて、開炉、炉開き。

風炉の場合は、風炉開きとはあまり言わず、初風炉(しょぶろ)と言ったりします。

この「開く」という言葉は、あたりまえ過ぎて意識したことがありませんが、
辞書を引いてみると、

閉じふさがっていたものがあけ広げられる。あいた状態になる。

とあります。

永い間、使われずに置いてあったものを使う(使える状態にする)という意味があるように思います。
炉は使われなくても半年間確かにそこに在ったわけで、やはり「開く」がしっくりきます。
風炉は可動式なので、「開く」という感じではないのかもしれません。

また、「開く」にはお目出度い意味合いもあり、鏡開き、御開帳などの言葉があります。
悟りを開くという言葉もありますが、「悟り」も気付かないだけで我々の中にずーっと在り続けているのかもしれません。
私の場合、一生開かれることはないと思いますが・・。

さて、村田珠光が初めて切ったとされ、わび茶の象徴でもある「炉」、この「炉」が開かれるというのは大きな意味があるのでしょう。
さらに茶壺も開かれるわけですので、こんな目出度いことはありません。

客としても、炉開きの席や口切の茶事などに招かれることがあるなら、相当の覚悟が必要な気がします。

(NHK水曜 F.M. 記)




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