年明けまして、心新たに始める瑞穂教室火曜会のお稽古、年末の納会御茶事の話題にも花が咲きました。しかしながら、月の後半になってきますと、3月の熱田神宮月釜、NHKのテレビ放送と、少し先にある行事などの話題に変わり、季節の移り変わりとともにお話も移り変わりがありました。まずもって、お稽古させていただけるように準備をしていただいた先生、先輩方に感謝です。
主菓子は「魁」。お菓子器には鶴が描かれていました。
意味を調べてみますと「先駆け」、「他者よりも先に的に攻め込むこと」、「首領」、「大きな柄杓」などなどの意味があるそうです。季節の先駆け?なんのことだろう?・・と腑に落ちない部分があるのですが、梅の花が押されているので、春の開花に先駆けてということでいいかと思います。ただ、ひょっとしたら、「熱田神宮初えびす」の意味も重複しているかもしれないと感じました。毎年1月5日午前零時より行われている、商売繁盛・家内安全・漁業豊漁を祈る祭りで、福熊手や御札などを我先にと求めます。毎年参加しているのですが、毎回押しつぶされそうになりながら福熊手や御札を受けます。押し倒される方や、お怪我をされる方もいらっしゃる危険な行事です。その様はまさに魁そのものです。この風流なお菓子が初えびすを表しているかどうかは自信ありませんが、可能性の一つとしてはありえなくもありません。参考程度のお話であることを一言添えて先に進ませていただきます。
上のお写真はネットから拝借いたしました。零時を回りますと、私も押しあいの中余裕がありません。下は今年の様子、私の携帯電話のお写真です。警察の方も事故がないよう警戒してくださいます。
主茶碗は信楽焼の早蕨が描かれたものをお使いいただきました。山菜が待ち遠しくなります。たなごころがいいと先生がおっしゃられていました。信楽焼といいますと、厚手のものが多いような印象を持っていたのですが、お使いいただいたお茶碗は薄手の物で、重量感もなく、とても扱いやすく、驚きました。替茶碗は、底に「未」の文字がしたためてありました。とても楽しいお茶碗をご用意いただきました。
お棗は唐松蒔絵銀溜をお使いいただきました。写真は水屋にて開けた状態で撮影させていただきました。銀溜というものを初めて拝見いたしました。貴重なお道具をご使用いただきまして緊張します。
棚は竹台子に皆具をご用意いただきました。
竹柱は、三節を客柱(右手前)と角柱(左向う)に、二節を向柱(右向う)と勝手柱(左手前)にします。という流暢な説明がインターネット上にありました。先生は竹柱の節については、流派によって多少違いがあるとおっしゃられていました。竹台子をお使いいただいたからこそ勉強できた事柄です。ありがたいです。
皆具はベンジャロン焼。ベンジャロン(ベンチャロン)は「五色(多色)」を意味するタイの伝統的磁器。お使いいただいたものは「ラーイ・ナム・トーン」と呼ばれる金の縁取りが施してあるものでもともとは王室専用の磁器として使われていたそうです。タイ国王が中国に職人を送って磁器を輸入しはじめたという歴史から、同じく中国から焼き物を学んだ日本の九谷焼などの「五彩」、金襴手などの「金彩」など日本の磁器と作り方の発想に共通点があるそうです。豪華さを強調しているようなものが多い中で、お使いいただいた皆具は落ち着きがあって上品さが漂っています。さすが先生のお見立て、勉強になりました。
お掛物は御家元様の筆「祥雲春光」をご用意いただきました。新春らしく晴れ晴れとした気持ちになりました。
お花は結び柳に太神楽、蝋梅。お花入れは青竹(1月20日撮影)。太神楽という名前もおめでたいですが、色合いも紅白の花弁がほどよく、新春のお祝いにふさわしいお花だと感じました。青竹も清々しく、心躍る気持ちになりました。自然のものは一瞬、ご用意いただく方のおかげをもって、楽しませていただいています。ありがとうございます。
お香合は羊の磁器をご用意いただきました。朱色に白が映えますね。
ご用意いただいたお道具はどれも奥が深くとても一度では覚えきれないほどです。お点前はもちろんですが、お道具やその所縁なども一つずつ覚えていきたいと思います。今月も楽しくお稽古させていただくことができました。ありがとうございます。(M.D記)
初えびすの渦の中にいたんですね。スゴイ!
私は後日お参りに行ったので、魁にはなれませんでしたが、ゆったりとしていました。
「あきないえびす」のお札は祀る場所がなく、カバンに入れて持ち歩いています。
F.M様、コメントいただきまして恐れ入ります。初えびすは父が長年参加していて、現在は私が初詣を兼ねて参加しています。私も福熊手こそ飾っているものの、「あきないえびす」はそのままの状態です。茶心とは少し違うような気もしていましたが、迷いをたって投稿させていただきました。「魁」というお菓子と関連があるなら、また楽しいお話かと思います。ありがとうございます。