火曜会2月のお稽古

火曜会2月のお稽古は、初めのお稽古日が節分にあたり、節分らしいお稽古をさせていただくことができました。また、2月後半のお稽古には、土筆の焼きが入っている主菓子をいただいたり、東大寺で行われるお水取りのことを先生が触れられたりと、春の気配が徐々に色濃くなっていく様を感じられるお稽古でした。まず、お稽古の準備をしてくださった、先生、先輩方にお礼申し上げます。

2月福豆

※先生が福豆を菓子器から出す際のご説明がありました。軽く回すと中から出てくるというお話でした。

節分についてあらためて調べてみました。節分は各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のこと。2月の節分は立春の前日のことを指していて、大寒最後の日ということで、暦の上では一番寒い日とされています。確かに寒かったです。

※節分はまた、一般的に9つある雑節(ざっせつ)のひとつ。節分のほかに、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日があり、初午、三元(上元、中元、下元)、盂蘭盆会(お盆)、大祓を加える場合もあるそうです。暦の話は調べると複雑なので割愛させていただきます。

節分の日の主菓子は鶯餅をいただきました。鶯は平地で泣き始めるのが早春の頃であることから、春告鳥とも呼ばれているそうです。「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日を『ウグイスの初鳴日』と呼び、気象庁が生物季節観測に用いているそうです。(お写真撮り損ねてしまいました。新緑を感じさせる明るい緑色の餅の中に、薄黄色の餡が入っていました。)

後半になりますと、土筆の焼きが入っている上用のお菓子をいただきました。菓子器の蓋の受け渡しのお稽古もさせていただきました。木目は横にすると御指導いただきました。

2月筆の花 お菓子

棚は澤瀉棚(おもだかだな)をお使いいただきました。

2月澤瀉棚

澤潟棚(おもだかだな)は、溜塗の四本柱の四方二重棚で、中板が少し手前に湾曲し、棚の足、柱の上下に澤潟の葉を縦半分にした形の鰭板が付いた小棚で、武者小路千家十二世 愈好斎(ゆこうさい)聴松宗守(ちょうしょうそうしゅ)が好んだ棚で赤漆のものもあります。 武者小路千家十四世不徹斎(ふてつさい)が青漆爪紅(せいしつつまくれ)で好んでいます。

という解説がネット上にありました。つまり、お使いいただいた澤瀉棚は青漆爪紅で当代御家元様好みということのようです。流派由来の棚をお使いいただきまして、少し特別な気分になりました。

※下の写真は澤瀉(おもだか)の写真です。水草の一種だそうです。澤瀉棚はこの葉っぱを縦半分にした形の鰭板ということですね。形状が特徴的です。余談ですが、栽培変種がおせちに使われる慈姑だそうです。

2月オモダカ

お水指はセラドンをお使いいただきました。竹型とのご説明があり、先月おつかいいただいた青竹のお花入れから、今月の青磁の竹型のお水指に、先月のベンジャロン焼きの皆具から、今月、同じタイの三大陶器に数えられるセラドンに変わるという流れに、先月の名残りと遊び心ではないかと勝手に想像してしまいました。以下説明文です。

2月澤瀉棚2

タイの青磁「セラドン」は、ベンジャロン、ブルー&ホワイトとならぶタイ三大陶磁器のひとつで、タイ北部の中心都市チェンマイの代表的な陶器です。

チェンマイは日本でいうと鎌倉のようなところで、古い歴史と雄大な自然を持つ名器が生まれるにふさわしい場所です。セラドンはチェンマイで今でも全て手作りで生産されています。

柔らかな翡翠色が特徴で、タイでは古くから翡翠色は幸福と成功の色として重宝されてきました。厚みと丸みがあり丈夫です。サンスクリット語で石の意味を持つ「SILA」と緑の意味を持つ「DHARA」を掛け合わせてできたのがセラドンの名前の由来です。

ひびが入っていることも特徴の一つだそうです。

雲竜平棗 介山作 小牧の作家さんだそうです。平棗の扱い方もお稽古させていただきました。

2月雲竜棗介山

主茶碗は筒茶碗をお使いいただきました。筒茶碗の扱いもお稽古させていただけました。ありがたいです。

2月筒茶碗

替茶碗は六瓢のお茶碗をお使いいただきました。節分の日は大寒の最終日。一年で一番寒いとされている日に無病息災を・・という先生のお心遣い、ありがたく思いました。

2月六瓢茶碗

お掛物春風春水一時来

2月春風春水一時来

お稽古されていた菊池様から拝領したお掛物だとお聞きしました。

当代御家元様の筆で、漢詩の一節のようで、春が開けてくる様という説明がありました。

 

お花 太神楽と黄金色の千両

2月最初太神楽、黄金色千両

関戸太朗庵と雪柳

2月関戸太朗庵雪柳

お花も違った種類のものをご用意いただき、だんだんと、春らしく変わっていくお取合せを拝見させていただきました。ありがたいです。少しずつでも覚えていきたいものです。

お花入れは瀬戸。緑色の釉薬が早蕨のようです。お花入れもまた春らしいものをご用意いただきました。

先生が話題に挙げられていた「お水取り」は東大寺二月堂の儀式だそうです。若狭井という井戸からお香水(おこうずい)というお水を汲み出す儀式だそうです。「お松明」というものも一連の行事の一つのようです。詳しい説明は省略させていただきますが、このお水取りが終わると、奈良に春が訪れるといわれるほど古くから奈良の人々に親しまれる行事だそうです。

お水取りの儀式の最中に出る椿の造花がなかなか手に入れることが難しいのだそうです。

本当、日本に住んでいながら知らないことばかりです。今月も先生、先輩方のおかげで充実したお稽古をさせていただくことができました。重ねてお礼申し上げます。(M.D記)




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