六月の火曜会は、いつも通りのにぎやかさを取り戻しました。また、リクエストがあったそうで、武者小路千家八世 一啜斎好みの烏帽子棚をご用意いただき、烏帽子折のお稽古もでき、充実したお稽古となりました。先生、先輩方に深く感謝申し上げまして先に進めさせていただきます。
主菓子は前半は若鮎。市場でも鮎が解禁されたのでよく見かけるようになりました。夏の到来をひしひしと感じます。
後半は「水無月」だったのですが、撮影したはずの画像がなく、金曜会のお稽古に参加させていただいた時の「蛍船」です。蛍船とは、蛍狩りに使用する舟のことだそうです。大徳寺納豆が入った葛饅頭です。
雰囲気の似た「水無月」の画像を参考までに・・。このレシピ本では寒天で固めていますが、ういろうに小豆を三角形に切り分けたものでした。
旧暦の6月1日は「氷の節句」、または「氷の朔日」と言われ、御所では「氷室」の氷を取り寄せ口にしていたそうです。京都では6月30日、1年のちょうど折り返しにあたるこの日に、この半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する神事「夏越祓(なごしのはらえ)」が行われます。 その「夏越祓」に用いられるのが水無月というお菓子なのだそうです。昔は氷がとても貴重品で庶民の口には入らないので、宮中にならい、氷片を模した三角形の形をしていたお菓子を作ったそうです。それが「水無月」の始まりだそうです。小豆は悪魔祓いの意味とのことです。夏越祓には、形代流し、茅の輪くぐりなどの行事もございますが、説明は割愛させていただきます。
お干菓子は鮎の形をしたお干菓子でした。八橋のような風味がありました。この時点でかなり楽しいです。
武者小路千家八世 一啜斎好みの烏帽子棚をご用意いただきました。お水指は竹の形を模したセラドン。お掛物「竹上下節有」との組み合わせも楽しませていただきました。
武者小路千家十二世 愈好斎のお花押です。貴重なお道具でお点前させていただけることは誠にありがたいです。指物について先生におたずねした時に、千家十職の指物師駒沢利斎のお話が出ました。現在は14代がお亡くなりになられた昭和52年から空席のままになっているようで、調べてみますと、現在14代の甥にあたる方が修行中とのこと。その方も50歳を超えていらっしゃいます。安易なものが多い昨今の世の中で奥深いものを感じました。この棚の作者は別の方だそうです。
お棗は紫陽花のお棗をご用意いいただきました。写真ではわかりにくいかもしれませんが螺鈿がほどこされていて、とても美しいお棗だと感じました。
あじさいにも、様々な種類があるようです。ご用意いただいたお棗に描かれている種類はこちらのようなあじさいかと思われます。
主茶碗は三島をご用意いただいたのですが、撮影ミスをしてしまいました。替え茶碗は京焼「八橋」という名のお茶碗とのことです。
お掛物は「竹上下節有」不徹斎の筆と、宗屋若宗匠の方可時代の絵筆です。
「松無古今色 竹上下節有(松に古今の色なし 竹に上下の節あり)」の一節だそうです。松葉は新しい松葉も古い松葉も同じ色をしているという表現は平等を表し、竹に上下の節があるという表現は、区別、節度の重要性を表しているそうです。両方あって調和するという意味だそうです。昨年でしたか、竹は伸びる時に節ができるという先生のお話があり、心に残っています。人生の節目という解釈もあると思います。様々な角度で会話が広がるお掛物かと思います。自然の姿に勉強させてもらいました。
お花はハンゲショウ、白糸草、花いかだです。お花入れは細宗全篭をご用意いただきました。お花も珍しいお花をご用意いただきまして勉強になります。お花入れもすっきりとした涼を感じる姿かと思います。ハンゲショウの名前の由来は、七十二候の一つ半夏生という説と、半分化粧をした半化粧という説があるとのこと。半夏生は今の暦ですと7月2日とのことです。夏の深まりを感じます。
後半はハンゲショウ、下野草(しもつけそう)、水引草。多種多様なお花、ひとつずつ勉強させていただきたいと思います。本当にありがたいことだと思います。
6月も様々なご趣向いただきまして、楽しくお稽古させていただきました。先生、先輩方に重ねてお礼申し上げます。(M.D 記)