日曜美術館で輪島塗が紹介されていました。
漆芸家の北村辰夫が50人の職人とともに現代の技術で貝桶の制作に挑むというもの。
北村さんは国宝「初音の調度」を見て衝撃を受けたと語っておられました。
初音の調度は三代将軍家光の娘千代姫が尾張徳川家二代光友に嫁入りする際に持参した婚礼調度で、
蒔絵師の幸阿弥長重(こうあみ ちょうじゅう)が頭となり2年半で制作されたということです。
現代の感覚だと何十人何百人という職人が2年半関わる仕事となると、長いように感じますが、
技術的にみると、これが奇跡的な短納期なのだそうです。
やはり、漆芸に限らず工芸全般で現代は厳しい時代のようです。
社会構造の変化で多くの技術が失われ、お抱え○○といった巨大な後ろ盾も存在ない現代で、
良い物を創り続けることは並大抵のことではないのでしょう。
そんな中、このような取り組みが行われることは、素晴らしいですね。
実際、このプロジェクトには初音の調度と同じく2年半が費やされたようです。
美しい沈金や蒔絵を見ていたら、能登へ行きたくなりました。
「まれ」の匠くんにも是非塗師屋を継いでもらいたいものです。
NHK日曜美術館「漆芸の極みをもとめて~輪島塗超絶技巧への旅~」
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2015/0906/index.html
(NHK水曜 F.M. 記)