間が空いてしまいましたが、
先日の「有楽苑で旧正伝院書院襖絵公開」の続きです。
この日は如庵の内部公開もセットになっていまして、解説付きで中に入ることができました。
如庵は、外側から拝見したことは何度かあるのですが、中に入ってみると外からは分からないことが多くあり、驚かされます。
まず、室内の広さですが、外から見ているより中に入った時の方がはるかに広く感じます。
とても二畳半台目とは思えない感覚です。
この広さはどこから来るのか。
窓の数と配置、掛け込み天井による天井高が関係していることは、何となくわかるのですが、
不思議なのが、床脇の三角地帯(鱗板)と風炉先の中柱・板壁です。
床脇は元々四角の空間に斜めに壁を付けて三角の空間にしているので、
面積としては狭くなっているはずなのですが、そうは感じず、むしろ広くなっているように感じます。
風炉先の中柱・板壁についても、二畳半台目の空間に板壁を付けると余計狭くなりそうに思いますが、
実際客座に座ってみると、狭くは感じず、圧迫感もありません。
つくづく、よく考えて造られていると感心させられます。
また、竹を打ち詰めた「有楽窓」は有名ですが、
実際に席中から見ると、別名「虹窓」と言われている意味がよくわかります。
本当に七色のような様々な色の光が、ゆらゆらと障子に映し出されていました。
有楽斎はクリスチャンで「如庵」は洗礼名「Johan」からきているとのことですから、
この虹窓はステンドグラスのようなイメージで造ったのでは、と想像してしまいます。
国宝の茶室に入ることができるというのは、誠に有難い話で、
茶室は中に入らなければわからない、と実感した一日でした。
(NHK水曜 F.M. 記)
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